衆議院議員 井上義久
平成12年2月25日 衆議院予算委員会・第4分科会

○井上(義)分科員
 丹羽厚生大臣、大野総括政務次官には、日々の激闘、大変御苦労さまでございます。
 私から二点、お尋ねしたいと思います。
 一つは、厚生大臣は高次脳機能障害をよく御認識されていると思いますけれども、交通事故等で頭部外傷を受けた結果、脳の機能に損傷を来すとか、あるいは脳梗塞等の病気によって脳の機能に障害を来す、そういうことを高次脳機能障害、こういうふうに総称されているわけでございます。私も、こういう患者の皆さんあるいは家族の皆さんと接するようになりまして、いわゆる今の医療とか福祉のサービスのはざまに置かれているという悲惨な状況をずっと見てまいりまして、これは何とかしなければいけないなと。
 例えば、見かけは普通の人なんですけれども、五分後には、会った人の名前も顔も忘れてしまう、あるいはどこかに出かけると、五分後には、どこを通ったか、どこへ行ったかも忘れてしまうということで、ほとんど日常生活ができない。二十四時間、家族の介護が必要であるとか、あるいは感情のコントロールができないとか、それから新しいことは覚えられないものですから仕事になかなかつけないとか、こういう人たちが、交通事故とか脳梗塞なんかでも、いわゆる医学の進歩によって生き長らえることができるようになってきた反面、こういった問題が非常にクローズアップされてきているわけでございます。
 これらの問題というのは、医療福祉の問題にとどまらず、患者の社会復帰を目指す就労問題でありますとか、あるいは発症原因が交通事故の場合の賠償問題とか、非常に多岐にわたるわけですけれども、きょうは、医療福祉の関係に限定して、幾つかの問題点をお尋ねしたいと思います。
 まず、大臣に、こういう脳外傷者とか高次脳機能障害者が現行の身体障害とか知的障害とか精神障害の枠組みになかなか当てはまらないというようなことで福祉や医療サービスの谷間に置かれている、こういう現状を大臣としてどのように御認識されているかをお伺いしたいと思います。

○丹羽国務大臣
 交通事故などによりまして脳を損傷いたし、その結果、記憶力がなくなったり、あるいは判断力が低下したり、さらに感情のコントロールができなくなる、こういう方々は、今委員が御指摘のように、見た目にはちょっとわかりにくいのだ、こういうことでございますけれども、このような方々は、その障害が社会生活に与える影響が大きいにもかかわらず、診断が非常に困難であるために、保健であるとか医療であるとかいうサービスがなかなか利用しにくかったり、必ずしも十分ではない、まさに医療と福祉の谷間に置かれている、こういう御指摘でございます。
 私も、委員のその御指摘において、ほぼ同じような考え方に立つわけでございますけれども、平成八年度からその実態の把握と必要なサービスにつきましての調査研究を行っているところでございます。
 いずれにいたしましても、医療や福祉の現場におきまして、実際の患者の方々あるいは大変御苦労をなさっていらっしゃる家族の方々のニーズを現状において果たして十分に果たしているかどうか、こういったような問題もございます。
 いずれにいたしましても、大変大きな問題でございます。最近、ここに来て急にこの問題がクローズアップされてきていることも十分承知をいたしておりますので、この問題につきましては、どのような有効的な対策が立てられて、そして現にこういう方々に対しまして、御本人であるとか、あるいは御家族の方々に私どもが果たすべき役割というものはどういうものかということにつきまして十分に検討をしたい、このように考えているような次第でございます。
〔山口(俊)主査代理退席、主査着席〕

○井上(義)分科員
 大臣も同じ認識に立っていただいているということですが、ただ、患者の置かれている状況、家族の置かれている状況は待ったなしでございますし、日々の生活があるわけでございますので、幾つか具体的な点につきまして、実は私は平成十年の九月に質問主意書を出させていただきまして、そのときにも幾つか御回答をいただいたのですけれども、その後の状況を踏まえて、何点か具体的なことを質問したいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 一つは、高次脳機能障害の周知とか認知とかということがやはり非常に大事だと思うのですね。やはり社会的認知度を上げていくということが一番の喫緊の課題ではないか。
 特に、医療関係者とか福祉行政担当者に障害の内容や基本的な対処方法等を十分に周知徹底することが必要であるということでガイドライン等の策定をしていく、こういうふうに伺っているのですけれども、具体的にどのように進めていくのか、この辺についてまずお伺いしたいと思います。

○今田政府参考人
 今御指摘のいわゆる高次脳機能障害につきましては、脳の皮質の機能障害ということでございまして、医学用語として高次脳機能障害が必ずしも定着をしていないという点もございますが、それよりも、障害を受けている脳の部位、その部位によっていろいろな症状が出てくる。例えば、運動野のところであれば運動障害が出るし、記憶のところであれば今おっしゃったような記憶の障害が出る。そういうことで、症状が非常に多様であるということ。それから、その症状の発現が時期によってずれてきたりすることがある。こういったこともございまして、保健福祉行政に携わっている者に御指摘のように必ずしも十分に理解されていない、こういうことであろうかと思います。このことがまた翻って十分なサービスを受けにくい、そういうことを御家族なり患者さんがお思いになるということにつながっているのではないかと思います。
 これに関しましては、行政相談窓口におきまして、これらの症状を示される疾患の種類でありますとかあるいは診断方法、利用できる福祉制度、それからその手続方法、さらには処遇方法というものを整理いたしまして、ガイドラインとして取りまとめられたところであります。
 この三月六日に都道府県の障害保健福祉担当課長会議がございますので、このガイドラインをお示しし、説明し、周知徹底を図るように御指導申し上げたい、このように考えております。

○井上(義)分科員
 それで、抜本的には、現行の身体障害、知的障害、精神障害という枠組み自体もそうですし、それから手帳制度とか認定基準とかを見直していかなければいけないというふうに思うのですけれども、これは大変時間もかかることだと思いますので、当面は、現実に困っている患者、家族の方がたくさんいらっしゃるわけで、現行制度の弾力的な運用を図っていくのが一番現実的な方法だろうと思うわけでございまして、ともかく早急に支援の手を差し伸べてもらいたいということで、現行制度の弾力的運用ということについて、当局のお考えをお伺いしたいと思います。

○今田政府参考人
 今御指摘いただきましたように、高次脳機能障害というのがある面精神障害者的な部分としてあらわれる場合もあれば、身体障害者的にあらわれる部分、あるいは知的障害者的にあらわれる部分がございます。
 それぞれの障害の内容によりまして、現在進められております身体障害者に係る福祉施策、知的障害者に係る福祉施策、精神障害者に係る福祉施策、それぞれの制度を活用いただけるという仕組みにはなっているわけでございます。
 ところが、先ほど御指摘もありましたように、高次脳機能障害がなかなか認知されにくい、把握しにくい、こういった特徴があることから、施設のサービスの利用が必要にもかかわらず実態として利用されにくい、こういった場合がある、このように承知をいたしている次第であります。
 これらの問題につきましては、もちろん関係者が家族あるいは患者に対しまして適切な生活支援をしていく必要があるわけでありますが、そのためにはこの障害の実態というものを十分に把握し、あるいは地域にある通所授産施設あるいはグループホームなどの運用に工夫をする必要があるだろう。
 現に、知的障害の施設には知的障害しか入れないとか、あるいは精神障害の施設には精神障害者しか入れないんだということではなくて、その状況に応じて受け入れをいただける、そういうことを進める必要がある。さらには、その障害の種別を超えてそれぞれの既存の施設が相互に利用できるといった、いわば弾力的な運用によって、もちろん限られたサービスの量の現状かもしれませんが、それでも、なおかつ地域にある施設をできるだけ使っていただいて、当面のいろいろな御苦労の軽減に少しでもつながればということで、そういった形での施策を進めていく必要がある、このように考えております。

○井上(義)分科員
 それで、平成十年九月の質問主意書でも、やはり効果的な支援体制をつくるためには、脳外傷、高次脳機能障害の実態と患者、家族のニーズを的確に把握することが不可欠ではないか、実態調査をやるべきではないか、こういう御指摘をしたのですけれども、その後どうなっていますでしょうか。

○今田政府参考人
 実態の把握につきましては、平成八年に厚生科学研究の補助金によりまして、若年痴呆に関する研究ということで、例えば脳外傷によるいわゆる高次脳機能障害者がおよそ二千七百名程度いるのではないかといった点でありますとか、あるいはその方々の精神症状、問題行動、それからADL、日常生活動作能力、こういった点について調査をいたしましたとともに、必要な支援でありますとかシステムなどについて調査をさせていただきました。
 さらに、記憶障害とか集中力の低下など生活支援ニーズ、その生活支援ニーズについての適切な評価指標といったものについてまだ研究の必要性があるということから、平成十一年から若年期痴呆の処遇と評価法の開発に関する研究ということで実施しておりまして、より正確な実態把握に今後とも努めていきたいと考えております。

○井上(義)分科員
 今のようなお話があったのですけれども、いわゆる若年痴呆に関する調査ということで、これはいわゆる老人性痴呆が大きな社会問題になった際の副次的な研究として行われているわけでございまして、それはそれで一定の研究成果があったと思いますし、前進があったと思いますけれども、やはりもう一段新たなステージとして、いわゆる高次脳機能障害そのものに着目した研究に着手する必要があるのではないかというふうに思います。
 それから、若年者が特に脳外傷者なんかの場合多いわけで、そうすると回復の可能性が極めて高いということもあって、リハビリテーションなんかのアプローチも、これも従来のやり方の延長線上で研究が行われておるわけで、この高次脳機能障害そのものに着目してリハビリテーションということについても研究を進める必要があるのじゃないか。それをもう一つ踏み込んで考えてもらいたいと思うのですけれども。

○今田政府参考人
 先ほど厚生科学研究費での研究内容を若干御紹介申し上げましたけれども、外傷に伴います高次脳機能障害に焦点を当てた研究といたしまして、平成十年度から、いわゆる脳科学研究の一環、脳科学研究という一つのカテゴリーがございますが、その研究の一環といたしまして、その病態の解明でありますとか治療法の開発を目的といたします慢性期の中枢神経系外傷に関する研究というものに取り組んでいるさなかでございます。
 御指摘のそういったリハビリテーションの必要性等も含めて、この研究結果に基づき、あるいは、先ほどちょっと触れましたけれども、若年期痴呆の処遇と評価方法の開発に関する研究、これらの研究成果に基づきまして、生活支援の方法、それから専門施設のあり方、こういった点について研究を進めてまいりたいと考えております。

○井上(義)分科員
 それから、現在各地で患者、家族の会が結成されて、皆さんいろいろ交流をしながら、またこの苦しみを分かち合いながら前向きに取り組んでいらっしゃる方、たくさんいらっしゃるわけでございますけれども、そういう患者、家族の会のほとんどが医療機関とかリハビリテーションの施設を核にしているわけです。
 そうすると、こういう高次脳機能障害に理解のある医療機関とかリハビリテーション施設のないところの皆さんが非常に苦労されているのですね。患者の皆さんから、脳外傷とか高次脳機能障害に対応する医療機関、リハビリテーション体制が自分の地域にないんですということで、そういう家族の会もなかなかできない。私は、高次脳機能障害に対応する医療機関、リハビリテーション施設の潜在的なニーズは非常に大きいんじゃないかということで、医療、リハビリの体制の拡充を図っていくべきではないかというふうに思うんですけれども、それはどうでしょうか。

○今田政府参考人
 高次脳機能障害の分野というのが、ある意味ではその技法の開発においてまだまだ研究の余地があるということで、脳科学研究の一環として研究も進めているわけでありますが、具体的にそういったサービスを非常に熱心にやっていただいている施設そのものもそんなに多くはない。そういうふうな中で、どういう地域体制をつくればいいのかという点につきましては、先ほど申し上げました、一つは脳科学に係る研究でありますとかあるいは評価法に関する研究等を踏まえまして、その地域にどういうものを用意すればどういう仕組みができるのかといった点についての研究成果を期待しているわけでございますので、その点を踏まえて今後の施策の中で生かしていきたい、このように思っております。

○井上(義)分科員
 それから、これも質問主意書で取り上げたんですけれども、そういうリハビリなんかを実際にやっているところに対する助成というものをぜひ実現していただきたいということで、質問主意書の回答では、検討する、こういうふうにお答えいただいたんですけれども、これは、医療、リハビリ関係者のいわゆるボランティア活動でほとんど支えられているんですね。やはり行政としてこれに対して適切な支援を講ずるべきだ、いつまでもボランティアに頼っているべきではない、こういうふうに私は思うんですけれども、その辺は、助成ということについてどうでしょうか。

○今田政府参考人
 リハビリテーション施設にどういう設備が要るのかといった点につきましては先ほどの研究にまたなければならない部分もあるわけですが、一般的なリハビリテーションという点からいいますと、昭和五十年度から医学的リハビリテーションを行う公的医療機関に対しまして補助制度を設けているわけでございます。
 ところが、御指摘にもありますように、高次脳機能障害というものに着目をして専門的に取り組んでいる施設というのは非常に少ないわけであります。そういうこともございまして、治療法でありますとかあるいはリハビリテーションの手法の開発といった点について、その研究成果を活用しながら、どういう施設がいいのか、そこの基本を今後構築していく必要があるだろう。幸いに、私ども、所沢に国立身体障害者リハビリテーションセンターを持っております。そこでも高次脳機能障害の評価訓練室という施設を設けておりまして、ここでも治療、研究をしてデータを出そう、このようにしております。
 いずれにいたしましても、そういった積み上げた実績というものを参考にし、あるいはそういったものに基づいたリハビリテーション施設のあり方というものをしっかり構築して、今後の整備計画なりの対応の素材として検討していきたい、このように思っております。

○井上(義)分科員
 現実に数少ない。体制をつくってもらわなきゃいけないんだけれども、今現実にはほとんどがボランティアで支えられているという現状を御認識だと思うんですけれども、そこはやはりバックアップしなきゃいけないんじゃないか、こういうふうに思うんですけれども。

○今田政府参考人
 済みません、ちょっと後段につきましてお答えできなかったわけでありますが。
 それで、現在、脳外傷でありますとか高次脳機能障害を有する方々に対しましては、いろいろな方々がボランティア活動で支援いただいている、大変有意義なことだと思っております。このようなボランティア活動に少しでも援助する必要があるのではないかという御指摘でありますが、保健所でありますとか精神保健福祉センターなどでは、例えば精神障害者家族会の育成あるいは断酒会の育成、いずれにしても、そういうボランティア活動に対して積極的に育成をしていく立場にある施設が現にあるわけでございます。確かにそこの人たちが果たして十分に高次脳機能障害というものを理解しているかという点については、もちろん今から十分な普及啓発が要るんですが、そういうところからいろいろと情報あるいはニーズといったものを把握して、その支援策についてどう取り組めばいいかという点を今後の課題として私どもも取り組ませていただきたい、このように思います。

○井上(義)分科員
 大臣、今いろいろ幾つかの具体的な点をお伺いいたしましたけれども、患者、家族の皆さんにとっては行政の支援ということが極めて、自分たちだけが大変な思いをしているというところに温かい手を差し伸べるということが、やはり気持ちの上でも非常に大事なことだと思いますので、それらの皆さんに対するメッセージも含めて、大臣の御決意を改めてもう一回ちょっとお伺いできればと思います。

○丹羽国務大臣
 言うまでもないことでございますが、私どもはさらに、二〇〇〇年を迎えまして、障害のある方も障害のない方もお互いに助け合いそして補い合って地域でともに生活をしていく、こういうような社会を実現しなければならないわけでございます。そのためにも、ただいま来委員が御指摘をいただいております高次脳機能障害を含めまして、障害のある方々やその家族の立場に立って心の通った施策を行うことが重要であることは十分に認識をいたしているような次第でございます。
 この高次脳機能障害につきましては、先ほど来御議論をいただいておるわけでございますけれども、大変さまざまな難しい克服しなければならない問題が現にございますけれども、私どもは、先ほど申し上げましたように、その実態やニーズなどについて研究調査をまだ行っているところでございます。その研究の結果も十分に踏まえながら、課題といたしましては、いわゆる高次脳機能障害におきます治療やリハビリのあり方であるとか、それから地域保健の取り組み活動の中における保健指導のあり方、さらに生活支援という形の福祉の面の指導、いずれにいたしましても、保健、医療、福祉、こういった三つの分野におきますサービスが総合的に提供されるように施策の推進に努めていかなければならないと思います。
 お話をお聞きいたしておりますと、私どもも全面的に御支援できるという点においては御支援をしなければならない、それと同時に、やはり身近な地方自治体の皆さん方の役割も大変大きいものではないかな、このように考えているような次第でございます。いずれにいたしましても、井上委員の御質問を契機にいたしまして、この問題にさらに真摯に前向きに取り組んでいく決意を新たにしているものでございます。

○井上(義)分科員
 よろしくお願いしたいと思います。
 それともう一点、今国会で予防接種法の改正案がこれから審議されることになると思いますけれども、私がやはり平成十年の十月に予防接種健康被害者の救済について質問主意書をお出しいたしまして御回答いただいているんですけれども、それにつきまして二点だけちょっと確認したいと思います。
 一つは、今回の改正では、申請手続が煩雑になる等々で健康被害者の方々の希望に反する可能性もあるというような理由で、現行の介護加算を介護手当として法文に明示した上で独立給付するという患者の皆さんの要望があったんですけれども、これが見送られたわけでございます。予防接種問題小委員会報告書では、「介護加算の方式を基本とした上で、具体的な充実を図ることが重要である。」こういう指摘があるんですけれども、健康被害者及び家族の方々の大変な負担や家族の高齢化による家庭介護力の低下などを考えますと、相応の支援が必要だというふうに思うわけでございます。
 具体的には、今国会での法案審査の後、政省令で対応されることになると思うんですけれども、この予防接種健康被害者への支援に対する、特に介護加算の充実ということに対する大臣の基本的な考え方をお伺いしたいと思います。

○丹羽国務大臣
 予防接種の問題でございます。これは、委員御指摘のようなさまざまな経緯があるわけでございます。そういう中でございますけれども、極めてまれでございますが健康被害の問題が発生いたしまして、こういった救済措置の問題も予防接種の大変重要な問題である、このように考えているような次第でございます。
 それで、今委員から御指摘の、被害者の方々に対しますいわゆる介護手当の問題でございます。これにつきましては、被害者団体の方々からは、当初は、御意見といたしまして、介護手当を法定化してほしい、こういうような要望がなされました経緯が確かにございました。しかし、その後、介護手当を法定給付化することによってかえって申請の手続が煩雑になるのではないか、こういうような問題の指摘もございまして、最終的には、現行の介護加算の方式を基本とした上で具体的な充実を図る、こういうような御意見をいただきまして、本年の一月にまとめられました公衆衛生審議会の意見書の中においてそのような趣旨が組み込まれたような経緯がございます。
 介護負担に伴います介護手当の額の設定につきましては、平成六年の予防接種法の改正の後に、介護加算制度を創設しまして給付の大幅な充実を図っておるわけでございますが、今後、予防接種健康被害者実態調査の結果や被害者団体の御意見、介護給付を制度化しているほかのさまざまな立法例がございますけれども、そういった点を含めまして、いずれにいたしましても、こうした切実な問題に対しまして真剣に取り組んでいきたい、このように考えているような次第でございます。

○井上(義)分科員
 予防接種禍、この被害者の皆さんというのは、いわゆる公共目的のために国家が行った施策の無過失の被害者という位置づけになるわけでございまして、やはり国としてこれらの皆さんに対する十分な支援というものをやっていかなければ、これは国家の施策のある意味で犠牲になったということでございますから、ぜひ十分な支援体制を組んでいただきたいと思います。特に介護加算という意味では、十分な介護加算の額の上積みを要望しておきたいと思います。
 それと、もう一つは、私の関係者の方もやはりお子さんがそういう人を抱えていらっしゃるんですけれども、要するに、介護者が高齢化しているということで、いわゆる家庭内介護力というのが非常に低下しているわけです。これはいろいろなほかの問題もそうなんですけれども、特に、家庭内でなかなか介護する人がいなくなるという現状があるわけでございまして、介護サービスとか施設入所については、やはりこれから十分な体制をとっていかなければならないのじゃないか。
 先ほども大臣から指摘があったように、平成十一年に予防接種健康被害者実態調査が行われておりまして、これに基づいて、介護サービス、施設入所等についてやはり的確な支援が望まれるというふうに思いますが、この辺についての基本的な考え方をちょっとお伺いしておきたいと思います。

○篠崎政府参考人
 今先生御指摘のように、いろいろな被害者の団体の方々の御意見ですとか、あるいは実態調査の結果などを踏まえまして、予防接種リサーチセンターというのがございますが、そこが全国に相談員を配置いたしておりますが、そういう相談員を活用するなどいたしまして、健康被害者の方々が適切な介護サービスを受けられるような支援を初めとして、それぞれの方々に即した介護サービス提供体制について具体的に検討してまいりたいと考えております。

○井上(義)分科員
 以上です。どうもありがとうございました。

○自見主査
 これにて井上義久君の質疑は終了いたしました。
 次回は、来る二十八日月曜日午前十時より開会し、厚生省及び労働省所管についての審査を行うことといたします。
 本日は、これにて散会いたします。
(午後六時五分散会)