衆議院議員 井上義久
平成11年2月10日 衆議院建設委員会

○井上(義)委員
 公明党・改革クラブの井上義久でございます。
 きょうは、まず住宅政策について大臣に所見を承りたいと思います。
 これまでの日本の住宅政策、どちらかといえば、右肩上がりの経済ということで地価も所得も右肩上がりで上がっていく、そういうことを前提にして持ち家政策中心の住宅政策だったんじゃないか、こう思うわけでございます。
 そういう右肩上がりの経済も終えんをしたということで、今経済状況は非常に厳しいですけれども、これは安定成長に当然乗せていかなければいけないわけでございまして、地価、所得とも安定成長の時代に入る。
 それから、一方で消費者の持ち家とか借家に対する意識のボーダーレス化といいますか、特に若年層は持ち家意識が非常に弱くなって、借家でいい、こういう人が相当ふえているわけでございますし、それから、一方では少子高齢社会ということで、いわゆる子育てをバックアップするようなファミリー向けの住宅とか、あるいは高齢世帯がふえている、高齢者向けの住宅を充実するとか、住宅政策が大きく転換を迫られているんじゃないか、こういうふうに思うわけでございます。
 住宅が景気対策の波及効果が大きいということで、ことしも住宅建設に対するインセンティブを持たせるようないろいろな政策が組まれているわけですけれども、やはりこれは、住宅というのは国の政策の基本の問題でありますから、きちっとした住宅政策をここで再構築して、それを踏まえた上でいろいろな政策をやっていくべきじゃないか。特に持ち家、借家のバランスのとれた住宅政策、あるいはファミリー向け、あるいは高齢者向けの住宅というような観点をきちっと盛り込んだ新たな住宅政策というものをつくらなければいけないんじゃないか、そう思うわけでございまして、この住宅政策の再構築ということについてまず大臣の所見を承りたい、こう思います。

○関谷国務大臣
 先生御指摘のように、住宅に対します国民の皆さんの願望、視点というものも、これはまた戦後大きく変わってきたと思うわけでございまして、確かにこれからは、例えば老後になりますと、先ほども出ておりましたように、バリアフリーの、そういうスケールは、広さはそう大きくなくても老夫婦二人ですから、それはそれでやっていけると私は思うわけでございまして、ですから、やはり持ち家志向というものはだんだん薄れてきておるのではないかと思うんです。
 それで、住宅金融公庫でお金を借りて、一人の方が定年まで一生懸命働いて、残ったのはその一軒の家だけであったというような人生では、本当に心寂しい人生ではないかと私は思うわけでございまして、それならば、今の若い方々が持っております、賃貸住宅でいいじゃないか、もっと人生も楽しみたいというような感覚も出てくるわけでございましょうから、いろいろとそういうようなことにおいて、先生御指摘のように、右肩上がりの経済のときでございましたら、新築住宅が年換算で百六十万戸なんという時代もございましたけれども、私はもうそういう時代ではないと思うわけでございまして、建設省では百三十万戸を希望としておりますけれども、それは、私はざっくばらんに申し上げまして、百二十万戸でいいんではないかなと。百十万戸に下がって建設省は大変慌てておりましたけれども、私は百二十万戸、そして今度は中古住宅の市場をその間に開発してくればいいんではないかなというふうに思ったりしておるわけでございます。
 これからは、十五年間にわたります大幅な住宅ローン控除制度、これは二年間の間に申し込んでくれた方でございますが、そういうようなことも進めていくというふうなことで、先生御指摘のように、住宅を持ちたいという方の感覚、それから制度であるとか、いろいろ大きく変わってきておると思うわけでございまして、そういう流れを的確に把握して住宅政策は進めていかなければならないなと思っておるわけでございます。
 ただ、小渕総理が生活空間倍増計画ということで、いろいろなもの、買い物の空間を、時間を倍増にするとか、あるいは住宅の床面積を倍増にするとかいうようなことがございますが、ここ喫緊の問題としては、やはりスペースを広く持つということが第一の目的ではないかな、達成すべきことではないかなというふうに私は思っております。

○井上(義)委員
 私どもは、この住宅の問題、健康で文化的な生活を営むに足る住宅、これはやはり基本的人権であって、国がその供給をする義務を負う、こういう考え方に立って住宅政策というものをずっと我々は主張してきたわけでございます。
 それで、今大臣からもお話がございましたけれども、小渕総理、生活空間倍増計画ということで、具体的に言うと四十平米ぐらいを挙げていらっしゃるんですけれども、現実はほど遠いわけでございます。私は、そういうことじゃなくて、住宅政策を進める上での指標をきちっと今定めるときではないか、またそれが可能なときではないかということで、例えば住空間について見ますと、持ち家、借家を通じて、例えば一人最低二十から二十五平米ぐらいを目指すとか、あるいは、持ち家志向というのはこれは当然ずっとあるわけでございますから、例えば年収、今は五倍程度ということを目標にして、東京都以外は大体それは達成されつつあるわけですけれども、バブルの前に戻ったという意味で達成しつつあるわけですけれども、年収から考えますと、やはり三倍程度で買える。といいますのは、公庫融資は大体年収の五分の一以下が返済額の基準だ、こういうふうに言っているわけでございますから三倍程度。これは、二十年返済ですと大体年収の二〇%程度で返済が可能なわけでございますし、あるいは、借家については、家賃負担というのは年収の一〇から一五%、本来応能負担というのが原則だと思いますけれども、一つの目標として一〇から一五%程度。
 そういう具体的な目標をきちっと設定した上で住宅政策をきちっと、借家、持ち家、バランスのとれた住宅政策を推進すべきじゃないか、こう思いますが、どうでしょうか。

○関谷国務大臣
 そういう意味で、数値ではっきりしておりますのは、今後五年間で国民一人当たりの床面積を四十平米弱に拡大することを目標と掲げているところでございまして、そういう数値的にはっきりと打ち出しておるのは、現在のところ、この一点でございます。

○井上(義)委員
 四十平米というのは、実際達成できるかということを考えますと、私は現実厳しいと思うのですけれども、それはそれとして、その他いわゆる持ち家の場合の年収の問題あるいは家賃の負担の問題、これも含めてやはり目標を定めるべきだと思いますし、ぜひ検討していただきたい、こう思います。
 先ほど大臣がお触れになりました、今回、住宅ローン控除制度を創設したわけでございます。従来の住宅促進税制を大幅に拡充するということで、私どもも高く評価をしておるわけでございます。
 これはなぜかといいますと、一つは、減税額を大幅に引き上げられたということ。それから二つ目は、土地も含めて対象になったということ。特に三番目が大きいのですけれども、減税額が十五年間で漸減する仕組みになっていて、減税終了時の激変緩和がとられたということは、これは大変いいことだ、こう思うわけでございます。
 一月一日の入居分からということで公庫融資が既に始まっているわけですけれども、一つは、この制度が具体的に発表になって、一月一日からということでスタートして、いわゆる景気対策という側面が非常に強いわけですから、景気回復の呼び水になり得ているのかどうかということで、現状、具体的なデータがあれば教えていただきたいというのが一つ。
 それから、大臣、先ほどお話がありました二年限定ということなんですけれども、景気対策という意味では二年限定ということはわかるのですけれども、これもやはり先ほど言いましたように、住宅政策の基本をどうするかということにかかわってくるのですけれども、従来の住宅促進税制ですと六年間で、最初の三年間は三十五万、その次の三年間は二十五万、その次ゼロですよというので、極端に変わっちゃうわけですよね。そうすると、月の返済が、月に直すともう二万とか三万とか大きく違っちゃうわけでございまして、そういう意味で、やはり住宅政策ということを考えますと、これは継続してやっていくというのが基本じゃないかというふうに、始まったばかりですからなかなか言いにくいと思いますけれども、やはりその辺の見通しを持った方がいいんじゃないか、こう思います。

○関谷国務大臣
 まず、先生御指摘いただきましたように、住宅ローン控除制度は十五年間になりまして、合計の控除限度額が約五百八十万円になる。前の住宅促進税制でございますと、百七十万円ということであったわけでございまして、これは大きなインパクトを与えたようでございまして、住宅金融公庫の第三回募集結果は約十一万戸と前年同期比四五%の増になっております。それから、首都圏マンションの販売状況は、十二月としては一番多い、最多の販売戸数で、契約率も七五%強と好調でございました。それから、住宅展示場への来場者は、十二月に前年同期比で九%の増加に転じました。それから、一月二十九日公表された平成十年十二月の新設住宅着工戸数は、年率換算値で約百十五万戸と増加に転じてきておるところでございます。
 そういうような中で、この住宅ローン制度は、先生御指摘のように、平成十一年及び十二年における時限措置として導入されることとなっておりまして、今回の決定では平成十三年には住宅取得促進税制に戻ることとされておるところでございます。ですから、それはその後の経過を見ながら、またそれで落ちるようなことになりましたら、これは先生御指摘のように、またこれをしばらく延ばすというようなことをやらなければならないのかなとは思っておりますけれども、御指摘のように、今スタートしておるところですから、ちょっと言いづらいところがあります。

○井上(義)委員
 これは景気が落ちたら延ばすということを申し上げているのじゃなくて、景気が落ちても落ちなくても、住宅の持ち家をする人たちのやはり生活設計というか人生設計という問題で、やはり基本的な考え方を建設省はきちっと持たないと、激変緩和というのが非常に大事なので、そういう点でこの制度そのものを、大臣、どういうふうに評価していらっしゃるか、もう一回ちょっと伺いたいと思います。

○関谷国務大臣
 失礼しました。
 私は、そういうようなことで、景気が落ちたらまた継続というような感覚だったのですが、なるほど、ずっと継続をされる、そういう姿勢で、いろいろ環境も変わってまいりましょう、少子化でもありましょうし、高齢化住宅もやっていかなければなりませんから、そういうようなことでは確かにそうだろうとは思いますが、さて、税収が国とすればそれだけ落ちるわけでございますから、そのあたりはまたちょっと考えなければならないかとも思います。

○井上(義)委員
 今すぐそういうふうにおっしゃると、駆け込み需要をせっかく期待しているのになくなっても困りますので、基本的な考え方だけぜひ御理解いただければ、こう思います。
 それから、先ほどからちょっと触れていますけれども、賃貸住宅政策につきましてちょっとお伺いしたいと思います。
 平成十年の八月に、住宅宅地審議会の住宅部会基本問題小委員会が中間報告を出しておりまして、今後の我が国の賃貸住宅政策の基本的な考え方について方向づけをしているわけでございます。
 具体的な施策としては、第一に、賃貸住宅問題の取り組みの強化、特に少子化問題を踏まえ、ファミリー向けの良質な賃貸住宅供給を中心とした居住水準の改善、それから第二に、長寿社会に対応したセーフティーネットの充実、バリアフリー対応の高齢者向け住宅の供給がその主なポイントとして挙がっている、全くそのとおりだと思うわけでございます。
 まず最初に、この長寿社会に対応した高齢者向けの優良賃貸住宅、これは平成十一年度で六千戸増の一万戸計上されておりまして、私どもは大変高くこれは評価をしているわけでございます。これも景気対策という側面もあろうかと思うのですけれども、この中間報告でも高齢借家世帯の急増ということが指摘をされているわけでございまして、一九九五年には百八十一万世帯あった、二〇一〇年には三百七十二万世帯にふえるということが指摘されておるわけでありますし、それから、二〇〇〇年から一応介護保険が導入されるということで、在宅介護の受け皿づくりというのも早急に整備する必要があるということを踏まえますと、景気対策でことし一万戸になったからいいやということじゃなくて、一万戸でも、これは高齢世帯の急増ということを考えますとまだまだ十分ではないんじゃないかというふうにも考えるわけでございまして、今後の高齢者向けの賃貸住宅対策、どのように建設省としてはお考えなのかお伺いしたいと思います。

○関谷国務大臣
 まず先生、両面から、高齢者それから少子化から御指摘があったのですが、今の高齢者の方でございますが、これは高齢者向けの優良賃貸住宅の供給とあわせて福祉施策との連携も入れた福祉サービスつきの公営住宅を供給するシルバーハウジング・プロジェクトというのを推進しておるところでございまして、高齢者向けの良質な賃貸住宅の整備ということは、積極的になお進めていきたいと思っております。
 ですから、先般、最終大臣折衝になりましたけれども、高齢者向けの優良住宅というのは一万戸にしたところでございまして、まず第一歩は着実に前進をしておると認識をいたしております。

○井上(義)委員
 今後、どうなんでしょうか。

○関谷国務大臣
 今後これだけのことをやっていけば、私はかなりのことは効果は上がってくるのではないかと思っておるのでございますが。

○井上(義)委員
 先ほど申し上げましたように、一九九五年、百八十一万世帯であった老人世帯が、二〇一〇年には三百七十二万世帯にふえる。約二倍強になるわけでございまして、果たして今のペースで大丈夫かなというのが私の一番の問題点でございます。
 それともう一つは、ことしはある意味で、景気対策ということで相当の上積みになっている、一万戸だということを考えますと、やはり施策のきちっとしたベースにしていかなければいけないわけでございまして、その辺の御決意をちょっとお伺いしたいと思います。

○関谷国務大臣
 今の先生の、本当に倍増のような状態でございますから、それも頭に入れて、また次年度の対策をやっていきたいと思っております。

○井上(義)委員
 来年一万戸以下に下がるということはないと思いますけれども、これは重要な問題ですので、さらにふえるような方向でぜひよろしくお願いしたいと思います。
 それから、その次に賃貸住宅の供給ということで、持ち家と賃貸住宅のバランスのとれたこれからの住宅政策ということなんですけれども、特に賃貸住宅、この供給という面で非常にいろいろな問題があるな、私はこんなふうに思っているわけでございます。
 今賃貸住宅には、全世帯の約四割、千五百七十万世帯と言われていますけれども居住されているわけでございまして、しかも、最低居住水準未満の八割が実はこの賃貸住宅に住んでいる人たちなんですね。いわゆる居住水準が最低以下であるという人たちの八割は実は賃貸住宅ということで、一人当たりの床面積の国際比較でも、戸建て住宅はほぼヨーロッパ並みというふうになっているんですけれども、賃貸住宅ではヨーロッパの二分の一、アメリカの三分の一。特に、先ほどから出ていますように、少子化対策ということがこれからの日本の国の最重要課題、ある意味で高齢問題よりも少子化問題というのは国の存亡を決するような大事な問題なわけでございまして、そういう子育て支援ということも含めたファミリー向けの賃貸住宅の供給をどう図っていくかということが焦眉の急なんじゃないか、私はこう思うわけでございます。
 私たちも、バブルのころから、家賃控除制度の導入なんかを含めて賃貸住宅を住宅政策の柱に立てるようにということで、繰り返し繰り返し言ってきているのですけれども、いろいろなネックがあってなかなか実現しないというのが現状であります。正直言って、優良民賃なんかのいろいろな市場誘導施策というのはとられているのだけれども、本格的に賃貸住宅が大幅に供給をされるというような感じではなかなかないわけでございまして、制度インフラの整備を初めとしていろいろな手をたくさん打たなければいけないと思うのですけれども、言うはやすく行うはかたい。この民間賃貸住宅の供給ということに関して、特に今度公団も、特定の地域に、特定のいわゆる中心市街地といいますか、都心を除いて賃貸住宅を供給するということはやらないわけでございますし、そういう意味でいいますと、民間しか、これからないわけですね。
 この民間の住宅供給を促進するために本当にどういうふうにするかということについて、まずお伺いしておきたいと思います。

○関谷国務大臣
 昨年の八月でございましたが、住宅宅地審議会基本問題小委員会というところから中間報告が出されたわけでございまして、今後実施すべき賃貸住宅政策として、制度のインフラの整備が四点ほど指摘されているところでございます。
 それは、先生御指摘がございましたように、良質なファミリー向け賃貸住宅の供給であるとか、総合的な賃貸住宅供給促進のための制度インフラの整備とか、あるいは豊かな長寿社会を支える賃貸住宅政策、それから都市居住の中心を担う賃貸住宅供給の促進ということを指定された上で、細かくいろいろなことが中間報告では出されておるわけでございまして、賃貸住宅市場のゆがみの是正であるとか、市場ルールの明確化等による透明性の高い賃貸住宅市場の構築とか、賃貸住宅市場へのファイナンスの多様化とかいろいろあるわけでございます。
 確かに、こういういろいろな形が昨年の八月に出されたところでございまして、このことを着実に実施をしていくということであろうと思うわけでございまして、まだそういう結果が出ておりません。その中には、既存住宅ストックの有効活用なんというようなこともありますが、こういうようなことも私も重要なことだと思います。ですから、このことにのっとりまして鋭意努力をしていくということで進めていって、一年ばかりちょっと様子を見させていただきたいと思います。

○井上(義)委員
 なかなか具体的なイメージが大臣のお話を伺っていてもわいてこないので。
 やはり供給がどうしてもされないということは、それだけ民間が参入しにくい業種ということになるんだろうと思うのですね。ですから、民間が参入できるような、しかも、今の賃貸住宅というのは極めて小規模な賃貸住宅といいますか、そういう地主さんが二、三軒とか小さなアパートとかマンションとかというケースが多いわけでございまして、やはり民間の企業がかなり大規模な賃貸住宅に進出できるような施策を考えないと、これはなかなか難しいんじゃないか。
 そういう意味で、コストという問題があろうかということも含めて、我々は従来から家賃控除制度という形で、家賃の一定割合を控除するという形でコストを下げるということを主張してきたわけでございまして、大分状況も変わってきていますから、これはもう一回建設省の方で、優良賃貸住宅の供給を促進するという観点で、さらに、一時予算要求で出されたこともあるわけでございまして、バブルの時代とは違った意味で、また優良な民間賃貸住宅供給という観点からぜひ検討していただきたい、こう思うのですけれども、大臣いかがですか。

○関谷国務大臣
 確かに、何か中間報告を伺っておりまして、私もお答えしながらパンチのきいた感じは正直もうひとつ持ってないのですが、そういうようなことで、家賃控除制度というのも、これは私は直接響く制度ではないかなと思っておりますが、また検討してみたいと思います。

○井上(義)委員
 その次に、住宅品質確保促進法案につきまして。
 いわゆる欠陥住宅対策、これは非常に大事なわけでございまして、昨年の建築基準法改正のときの代表質問や、あるいは委員会審議でもこのことを主張してきたわけでございますけれども、今回法制化されるということになって、私どもとしては一歩前進ということで大変評価をしているわけでございます。
 消費者が安心して住宅を取得できる市場要件を整備することはもちろんですけれども、性能表示制度や紛争処理体制の整備などで住宅供給者の良質な競争を促すことにもなり、住宅の質が向上する副次的な効果もあるということで、法案の細部、また具体的には法案の審議のときに議論したいと思いますけれども、この法案の概要についてお話しいただければと思います。

○那珂政府委員
 お答えいたします。
 御指摘の法案は、欠陥住宅の発生を未然に防止するとともに、消費者が安心して住宅を取得できるような市場環境を整備していきたいということを目標に、住宅の生産者あるいは販売者が適切な品質確保に取り組むよう促すとともに、消費者に対しても適切な情報が提供されるための市場条件の整備が必要、こういうような背景から、現在検討中でございます。
 特に、住宅の性能に関する表示基準、あるいはこれに基づく評価体制の整備、そして二番目には、性能評価を受けた住宅に係る紛争の処理体制の整備、また、新築住宅の請負契約または売買契約における瑕疵担保責任の充実などに関する措置について法制化を図る方向で、現在鋭意検討を進めているところでございます。
 こういう内容を盛り込んだ、今おっしゃった、住宅の品質確保の促進等に関する法律案という名称で考えておりますが、その提出に向け、さらに努力してまいりたいと思います。

○井上(義)委員
 それで、今特に消費者の皆さんの関心の高い問題は、性能表示制度とそれに伴う紛争処理の問題で、これまでは、欠陥住宅の場合は基準も特になかったということで、裁判という形で大変な労力をかけて消費者の皆さんは争わざるを得なかったわけでございます。
 そういう意味で、この制度が整備されたことによって、消費者の側から具体的にどういう利益があるのか。それからまた、先ほどお話がありました、検討中の紛争処理機関、どういうようなものを考えていらっしゃるのか。あるいは紛争処理のシステム、概要が、もし説明できる範囲で結構でございますので、言っていただければと思います。

○那珂政府委員
 先生御指摘のように、住宅専門の紛争処理機関を整備することは、住宅に関する紛争が多発している昨今において大変重要であると思います。
 そのため、先ほど申し上げました、現在検討中の法案の中において、地域ごとに、地域の弁護士とか建築士とかあるいは行政に詳しい人など、いろいろな人の協力のもとに紛争を円滑に処理できる、そういう仕組みがうまく盛り込めないかどうか、現在鋭意検討中でございます。

○井上(義)委員
 それでは次に、防災都市づくりと再開発についてお伺いしたいと思います。
 一九九五年の阪神・淡路大震災、住宅密集地における震災被害の甚大さと、都市における防災対策に大きな教訓を残したわけでございます。もうあれから四年になるわけですけれども、国土庁からいただきました仮設住宅の状況をお伺いいたしますと、いまだに五千五百二十四戸、八千七百十六人の方が仮設住宅にお住まいである。既に四年たっているわけでございますし、ほかの水害、災害さまざまありますけれども、数戸、数十戸の仮設住宅でもあれば大変なことなわけでございまして、私は、いまだに五千五百二十四戸、八千七百十六人の方が仮設住宅で生活をされているということに対して、国政に携わる一人として大変申しわけないな、そんな思いでいるわけでございます。
 恒久住宅への転居の問題、それから生活再建支援の問題、大臣としてどのように現状をとらえていらっしゃるか、お伺いしておきたいと思います。

○関谷国務大臣
 まだ仮設住宅に大勢の方が住まわれていらっしゃるということでございまして、このことはまた、移住をしていただく場所との話し合いがつかないというところも正直のところあるわけでございますが、そういうようなことはなお話を進めてやっていきたいと思っております。
 そしてまた、もとの場所に戻りたいという御希望の方もいらっしゃるわけですが、その地域がまだ対策ができていないというようなこともあるようでございますが、少しでも御本人の希望に添った場所に恒久的な住宅として住めるように今後も話を進めていきたいと思っております。

○井上(義)委員
 ぜひ国を挙げてしっかり取り組んでいただきたいと要望しておきます。
 それで、阪神・淡路大震災を教訓にいたしまして、平成九年に密集市街地における防災街区の整備の促進に関する法律、いわゆる密集法という法律が制定をされまして、改めて防災づくりに関する新しい方向性が出たわけでございます。
 一つは、まず防災都市づくり計画、これは市町村が策定することになっているわけでありますけれども、災害危険度の判定などの現況評価の手法は建設省の方で提示をされている、こういうふうに伺っているわけでございます。
 また、都市再開発や都市政策、第一義的にはもちろん地方自治体に事業主体があるわけですけれども、建設省が所管をされているわけでございまして、やはり建設省として具体的な、それぞれの町の防災都市づくりについて積極的な関与が必要なのではないか。特に、ノウハウという面で、これは建設省に最大のノウハウがあるわけでございますし、しかも予算も建設省にあるということで、個別具体の話を聞きますと、何となく腰が引けているんじゃないかというような事例が、事例というかそんな感じもするわけでございます。
 私は、ともかく、これはある意味で建設行政の一番の基本ですから、この防災問題について建設省どのような決意で取り組まれているか、大臣にまずお聞きしたいと思います。

○関谷国務大臣
 それでは、細かい内容につきましてはまた局長から報告をさせていただきますが、建設省では、建設省の防災業務計画に基づきまして総合的な施策を推進しておるわけでございまして、具体的には、密集市街地における防災街区の整備の促進に関する法律に基づきます安全な市街地整備のための各種事業の推進、それから、避難地、避難路等の骨格的な都市防災施設の整備や共同溝の整備などによるライフライン対策の推進などを行っているところでございます。
 先生がおっしゃるように、防災都市というのは本当に建設省の中心の仕事であるわけでございますから、以下局長がるる述べると思いますが、その細かな施策をちょっと報告させていただきます。

○山本(正)政府委員
 今大臣から基本的な姿勢について申し上げさせていただきましたけれども、大臣から話がありましたように、阪神・淡路大震災の教訓を踏まえて、私ども建設省の中でも建設省の防災業務計画というものをつくりまして、災害の中でも地震と台風あるいはまたその他の火災等々に応じて非常に充実をさせていただいた業務計画をつくらせていただいて、今それに基づいて一朝事あるときには態勢を整えよう、こういう格好になっているところでございます。
 また、今密集市街地法の法律の施行によりまして、区画整理事業等の各種事業の推進、あるいは避難地、避難路等の都市防災対策についても予算あるいは税制等々の措置について拡充をさせていただいたところでございます。
 再開発事業というのは、先生も十分御案内のとおり防災性の向上の観点からも大変重要な事業でございますので、そういう事業についてより一層推進していきたいというふうに思っているところでございます。

○小野(邦)政府委員
 多少技術的な観点からの取り組みを御紹介させていただきます。
 建設省では、総合技術開発プロジェクトというのを昭和四十七年からやっておりますけれども、平成十年から五年間の課題の一つといたしまして、町づくりにおける防災評価あるいは対策技術の開発を主要なテーマにいたしております。
 これにつきましては、例えば道路や空き地といったオープンスペースあるいは緑化による延焼防止効果がどの程度あるのか、あるいは災害時の救出、救護に対する道路の役割でございますとか、あるいは耐火性能を有する建築物が建っておりますと、それが有効な遮断装置になるわけでございます。そういったようなことを解明して、現状の市街地の防火性能を具体的にどの程度のランクであるかということを評価する、そういうような手法の開発にも取り組んでいるところでございます。
 こういったような技術開発につきましても、平成十年からの措置でございますけれども、一つの重要な課題ということで現在取り組んでいるところでございます。

○那珂政府委員
 御指摘の、都市の防災の観点から、密集市街地の問題につきましては、特に国の機関としての現住都公団の主な仕事の一つであると認識しております。
 具体的には、地方公共団体からの委託に基づく調査、あるいは整備計画を作成したり、あるいは公共施設を公共団体にかわって整備し、あるいはまた従前居住者のための住宅を整備、供給するなどの総合的な施策をこういう地域に集中的に展開していくということをしてきております。
 また、地権者による木造賃貸住宅を自主的に建てかえる際のいろいろな形の支援でありますとか、あるいは、そういう事業と連携して、余裕スペースができた場合にはそこに公団賃貸住宅を建てるとか、こういったいろいろな形でこれまでも幾つかの地域で取り組んできておるわけでございますが、何せ密集市街地は全国で二万五千ヘクタール、東京都だけでも五千八百ヘクタールという、大変大きな地域が問題でございますので、住都公団を改組して新たに発足すべく準備しております都市基盤整備公団におきましても、その主要な目的としまして、こういう事業について積極的に取り組んでいく所存でございます。

○井上(義)委員
 防災の問題について、今それぞれお話しいただいたんですけれども、この機会なので、大臣、こういうことをどう思われるか、ちょっとお聞きしたいんです。
 防災対策というのでどういう事業があるのかというのでいろいろ聞いたんですね。そうすると、今いろいろ説明がありましたように、都市防災構造化推進事業だとか、防災公園・市街地一体整備事業だとか、今度これは新しいのだそうですけれども、あるいは安全市街地形成型都市再生区画整理事業だとか、いろいろあるんですね。
 一つ一つ聞くと、ああこれはこういうことなのかというのはよくわかるのですけれども、では、私の町、これはどういう事業に当てはまって、どうやったらできるのかなということが全然わからないのですね、今も三人の方に説明をいただいたんですけれども。
 要するに、住んでいるところは一カ所で、自治体も窓口は一つで、自治体の担当者なんかによく聞くと、要するに、もう苦労して苦労して、いろいろな事業を組み合わせていろいろな仕事をするということで、非常に苦労しているわけですよ。そういう目的に合った、それが一つにきちっとなっていれば、どうも何か、それぞれ事業が分かれているというようなことが、現実に仕事をしていく上で非常に現場は苦労しているんじゃないか、そういうことを非常に感ずるんです。
 今ちょっと説明を伺っていても、それぞれ、公団がありますよ、公団は住宅局ですよ、再開発は都市局ですよ、政策的には官房もありますよ、国土庁もありますよということについて、防災というのは目的は一つなんですから、そういう事業が、統合化するなりメニュー化するなり、何かもう一つ工夫ができるんじゃないか、しなきゃいけないんじゃないか、こんなふうに思うんですが、大臣、どうですか。

○関谷国務大臣
 私は、今兼務しておるのですけれども、国土庁には防災局というのがありますよね。あれはプランニングはプランニングでしょうから、それを行うのが建設省でしょうが、官房長、答弁をお願いします。

○小野(邦)政府委員
 井上先生のおっしゃるとおり、いろいろな事業で、その地域あるいは地区の防災性能の向上のための事業を用意したり、あるいは自主的な取り組みをお願いしているわけでございます。それがまとまって行われていないのではないか、個々の事業がそれぞればらばらに予算化されて、一つのまとまった有機的な政策になり得ているのか、こういう御質問だと思うわけでございます。
 確かに、私どもの事業、防災という観点をとりますと、あらゆる施設について、すべてそれは言えるわけでございます。道路事業につきましても、防災性の観点ということで予算を認めていただいて、橋梁の補強なんかは最大限の努力をしてまいりましたし、河川についても同じでございます。あるいは公園ということで、防災という点を加味した防災公園というものも、近年は、阪神・淡路大震災以後、大変重要な課題として取り組んできております。
 そういう点で、事業ごとにどうしても防災性の観点というのが出てまいりますので、特にそれを重点化して、アップ・ツー・デートな政策課題に持ち上げた上で予算を重点的に配るということも、一つの方法として我々はやっているわけでございますが、やはり有機的なそういう全体の結合というのは、公共団体あるいは地区全体で見通していただかないとなかなか難しい面もあろうと思います。
 我々もいろいろな政策メニューを用意いたしましたけれども、結局その地区の、技術開発のお話もいたしましたけれども、全体を統合して、公共団体、あるいはそれぞれの市町村、あるいは地区というもので全体をまとめていただく、それのいろいろな政策手段としてのお世話をする、あるいはそれをまとめるというようなことに、ソフト面につきましてはやはり内閣あるいは国土庁の防災局が全体を見て支援をしていただくというようなことかなという感じがするんでございます。
 ちょっとお答えになっておりませんけれども、全体の取りまとめは公共団体自身が、どういうような事業を有機的にやることによってより以上に防災性を高められるか、住民の方々の安全を確保できるかということを主眼に考えていただくということに尽きるというふうに思います。

○井上(義)委員
 官房長がおっしゃるとおり、説明されるとそのとおりなんですけれども、例えば防災計画を地方自治体がつくる、それに基づいていろいろな事業を考える。そうすると、国にはいろいろなメニューがある。どのメニューでうまく予算が獲得できればこれができるな、あるいは、こっちのメニューはちょっと年度がずれちゃった、そうすると、本当は一体でやりたいんだけれども順番がなかなか回ってこないなというようなことで実は自治体の方は苦労しているわけでございまして、何で事業をする方がそういう苦労をしなきゃいけないのかなというのが我々の実感なわけでございまして、これは、いろいろな、今度国土庁がやる地域戦略プランでしたか、これなんかも同じことだと思うんですけれども。そういうふうに言うと必ず、メニュー化している、各省の予算をちゃんと集めてペーパーは一つになっている、だけれども現場へ行けばやはり同じことを繰り返しているんですね。
 ここが、やはり私は地方分権の大きな目的の一つなんだと思うんですけれども、そういうことについて、大臣、今官房長から話がありましたけれども、その点についてどういうふうに。

○関谷国務大臣
 おっしゃるように、私は地方分権の大きなポイントになるんではないかと思います。
 ただ、先生御指摘のように、地方分権をしましても財源的なものがないとどうにもできませんから、財源的なものをつけて、この分野は地方分権、ましてやその地域地域で一番詳しいわけですから、防災の基本計画というのができるのではないかな、そのように思います。

○井上(義)委員
 では、簡単に言えば、その防災計画が、自治体でつくったら、これをやるためにはこれだけの予算を全部つけますよ、事業ごとに予算をつけるんじゃなくて、防災計画そのものに予算をつければ一番簡単じゃないですかということを申し上げているわけですけれども、どうですか。

○関谷国務大臣
 事業ごとというと今までの形の変形みたいなものでしょうから、逆に言えば、それは財源的な補助金を防災ということで幾らというふうに決めれば、一つの形になったものが、防災対策ができるのではないかと思います。

○井上(義)委員
 要望ですけれども、ですからノウハウは建設省にあるわけで、先ほど官房長からもお話がありましたように、技術的な開発を建設省がされている、それは大変結構なことでございますから、防災計画ができたらこういうやり方があるよ、こういうメニューがあるよ、ですから、総合的な予算を有効に活用してぜひ防災の町づくりをしてくださいよ、こういう仕組みにしないと本当の防災は進まないんじゃないか、こういうことを申し上げておきたい、こう思います。
 それから、ちょっと時間がないので、バリアフリーの町づくりということについてお伺いしたいと思います。
 平成六年の六月に生活福祉空間づくり大綱というのを建設省が取りまとめられたわけでございまして、これは、日本の国はバリアフリーということについては思想的にも制度的にも非常におくれている中で、大変重要な取りまとめだ、こう思います。
 この大綱は、単なる物理的障害物の除去にとどまらずに、生きがいの創出であるとか、あるいは健康の増進といった高次のノーマライゼーションの理念の実現を目標にしているわけでございまして、その観点から、住宅・社会資本の福祉インフラの整備を目指しているということで、この問題、急速な高齢化ということで、この福祉インフラの整備というのは喫緊の課題になっているんじゃないか、こう思うわけでございます。
 大綱策定から既に四年になっているわけでございますけれども、この問題は非常に多岐にわたるので、特にバリアフリーの生活空間の形成ということについてお伺いします。
 高齢者、障害者等に配慮した建築物の整備について、障害者対応エレベーターやスロープ、あるいは階段の両側手すり、点字誘導ブロックの設置など、まず官公庁施設、これは道路も含めてそうですけれども、これがやはり一番大事だと思うわけでございますけれども、これも、どうもお聞きしますと、事業が各省庁にまたがっていて、大綱は建設省がおまとめになったんだけれども、どの部分がどの程度進んでいるかというのはよくわからないようなことらしいので、せっかく大綱をまとめられたのですから、これはぜひフォローアップしてもらいたい。
 四年たってどこの部分がどれだけ進んでいるのか、全体的にフォローアップしてもらいたいというふうに思いますので、その点と、それからハートビル法、いわゆる民間のバリアフリー化のときの融資、これは具体的な数字が出ていると思うので、どの程度進んでいるのかということをまずお伺いしたいと思います。

○那珂政府委員
 御指摘のハートビル法に基づく建築物におけるいわゆるバリアフリーの整備状況でございますが、平成九年度末現在でございますが、全国で六百八十件が認定済みでございます。平成六年から九年度末までの実績で六百八十件でございます。
 それから、これにつきましては、今先生から御指摘ありましたように、一般の民間の建築物が主として対象であるわけでございまして、役所の公共的な建築物については、どういう整備がされているかというのは私どもでまだ把握しておりませんので、御指摘いただきましたように、そのフォローに努めたいと思います。

○井上(義)委員
 特に移動におけるバリアフリーについて、車いす等に対応する幅広歩道の整備状況、これだと具体的に進捗状況はわかると思うのですけれども、どんなぐあいでしょうか。

○井上(啓)政府委員
 目標としましては、二十一世紀初頭までに市街地の住居系商業地区の二車線以上の道路について広幅の歩道を設置しようということを目標に進めておりまして、そうしますと、道路の約一〇%、十三万キロがそういうような対象の道路になります。そのうち、平成九年度末までに三万七千キロ、広幅歩道、三メートル以上の歩道ができておりまして、計画の二八%でございます。十年度からの五カ年計画内に一万四千五百キロを追加整備して五万一千五百キロにしたいと思っていまして、そうしますと計画の四〇%になる。そういうことで、十一年度につきましては二千二百キロの整備を行いたいと考えております。

○井上(義)委員
 二十一世紀初頭というのはどの時点を指すのかというのがちょっと明確じゃないので、その辺も含めて、今の計画でいけば、この十三万キロは実現可能なんでしょうか。

○井上(啓)政府委員
 そういう目標で進めております。二十一世紀初頭は二〇一〇年から一五年ぐらいの感じで見ておりますが、ただ、最後になりますとなかなか難しいところが残ってくるというようなこともありますのであれですけれども、こういうバリアフリー化、非常に大事なことだと思っておりますので、努力していきたいというふうに思っております。

○井上(義)委員
 公共交通機関とのアクセスにおけるバリアフリーというのもやはり課題の一つに挙げられているのですけれども、これは運輸省と共同整備になると思いますけれども、駅前広場とか歩行者支援施設の整備という、いわゆる交通結節点の整備、これはどういうふうになっているのでしょうか。

○山本(正)政府委員
 鉄道駅等に集中する交通を円滑に処理して駅周辺の円滑な歩行環境を確保するということで、駅前広場あるいは交通広場などの交通結節点の整備を行っておるわけでございます。
 平成九年度末までに約千五百カ所の駅前広場を整備してきておりまして、平成十年度を初年度といたします新道路整備五カ年計画において、今お話がございましたように、二十一世紀初頭、二〇一〇年から一五年ぐらいまでには、一日当たりの乗降客が五千人以上の駅に駅前広場をすべて整備するという中期的目標のもとに、この五カ年間の計画期間内に約二百七十カ所の駅前広場の整備を進める計画としているところでございます。
 なおまた、平成十一年度、来年度の予算につきましては、街路事業によりまして、事業費約百七十三億円をもちまして七十カ所の整備を進めるなど、計画の達成に向けて精力的に取り組んでおるところでございます。
 また、今先生おっしゃいましたように、八年度から、建設省と運輸省の連携施策によりまして、駅の中にエスカレーターをつけますとかそういうような、駅内外の歩行者快適化作戦と銘打ちまして展開しておるところでございます。
 今後一層推進に努めてまいりたいというふうに考えておるところでございます。

○井上(義)委員
 それで、この市街地の移動に係るバリアフリーで、自治体の皆さんに聞きますと、特にいわゆる放置自転車が大問題になっているのですね。それで、要するに、幅広歩道を整備しても、それから駅前広場を整備しても、そこがまた自転車置き場になっちゃう、結局もとのもくあみだ、こういうことを繰り返しているというのが現状なんですね。
 それで、建設省からこの資料をいただいて、「いきいきとした福祉社会の建設に向けて」、これを見ますと、バリアフリー施設が十分に活用されるためにも抜本的な放置自転車対策が必要であるということで、これも二十一世紀初頭までにとなっているのですけれども、二十一世紀初頭までに駅周辺の放置自転車を解消する、こういうことになっているのですよね。本当に解消できるのかな、解消できたらこれは大変なことだな。
 というのは、どうもこの中身は、自転車置き場をつくると書いてあるのですよ。御案内のように、あちこちで自転車置き場ができても、できた当初は放置自転車は減る、しばらくすると、またもとのもくあみになっている。自転車置き場は使われるケースもあるし使われないケースもありますけれども、もとのもくあみになっているというふうな現状で、本当にそんないい手があるのかなというのが現状なんですけれども、建設省は、二十一世紀初頭までに解消する、こうおっしゃっているので、どういうふうに解消するのかぜひ伺っておきたい、こう思います。

○山本(正)政府委員
 今の路上放置自転車対策でございますけれども、今私どもとしても街路事業あるいは特定交通安全施設等整備事業、これに対する補助事業としてやっておりますし、あるいはまた、民間に対する融資の制度、あるいは税制上の優遇措置等々を通じまして自転車駐車場対策を行っておるところでございます。これもまた新五カ年計画におきましても、今、おおむね放置自転車が解消されることを目標にやっておるということでございまして、五カ年間の計画期間内に約四十四万台分の自転車駐車場の整備を図っていこうということを考えておるところでございます。
 平成十一年度につきましても、事業費で七十六億円、約三万五千台の整備をやっていこうということで、地方公共団体、民間による自転車駐車場の整備を推進しまして、放置自転車の解消に向けて一生懸命、積極的に進めてまいりたいというふうに考えておるところでございます。

○井上(義)委員
 施策を一生懸命やっていただいたのはよく理解しておるわけでございますけれども、その施策の延長線上に放置自転車がなくなるというふうに建設省は考えていらっしゃるのかどうか、もう一回ここで確認しておきたいと思います。

○山本(正)政府委員
 おおむね解消に努めたいというふうに考えておるところでございます。

○井上(義)委員
 それでは、自治体の首長の皆さんにそういうふうに言っておきますので、ぜひよろしくお願いいたします。
 それでは、以上で終わります。